2019-11-01 精子競争 sperm competition 従来のガンカモ類の陰茎の比較解剖学的研究*1では、そのサイズ と構造の精巧性は、精子競争*2によって進化してきたと結論付けて いたが、著者らは何種かのガンカモ類の陰茎に棘と畝状の構造を 発見し、これは高リスクの精子競争をしている種では、競争相手 の精子を膣から取り除く機能があると*3仮定した。我々の研究では 膣構造は、ガンカモ類の陰茎のサイズや精巧性に見られる 多様性の進化が雌雄間に働くの選択が付加的というよりおそらく根本 的な選択圧であることを強く示唆している。 *1:解剖によって内部の形を比べて検討する事 *2:個体及び精子が卵子との授精をめぐって他個体及び他個体の精子とあの手この手で受精率を上昇させる競争をする事 *3:Coker CR, McKinney F, Hays H, Briggs S, Cheng K (2002) Intromittent organ morphology and testis size in relation to mating system in waterfowl. Auk 119(2): 403–413.