Anseriformes

カモ系論文を延々と紹介しやす。。。

2019-10-01から1ヶ月間の記事一覧

フナガモ属

現存するフナガモ属は、 トビフナガモT. patachonicus フナガモT. brachypterus オオフナガモT.pteneres アルゼンチンフナガモT.leucocephalus の4種で、トビフナガモのみが飛ぶことができる。フナガモ属は、水上で翼と脚を"steaming"(外輪船の動きに似てい…

フナガモ

補完的研究戦略として、現存する非常に近縁だが飛翔能力の異なる鳥類の種間比較がある。これにフナガモ属Tachyeresが利用できる。これら4種は、過去200万年の南米で更新世の異なる気候サイクルに影響を受けて種分化した1。 Fulton, T. L., B. Letts, and B. …

序論

進化期間に遺伝的変化を多重に蓄積してきた鳥類を解析する試みは困難であるが、近年のゲノム研究は、飛翔能力の消失に寄与した選択の標的を同定した。例えば、ガラパゴスコバネウの飛翔能力の消失に至る前肢発生の制御遺伝子の翻訳、非翻訳領域双方における…

はじめに

鳥類の共通祖先は飛ぶことができたが、その飛翔能力は系統樹上で独立に、繰り返し消失した。一般に、この飛翔能力の転換は関連形質の変化:体サイズの増加、前肢サイズの減少、後肢サイズの増加、採餌生態の変化等によって達成された。特定の生態的状況下:…

NatureのNews&Viewsでフナガモ(Tachyeres brachypterus)の飛翔能力消失の進化が取り扱われた。多くの鳥類グループにおいて飛翔能力が失われてきた。羽の構造及びフナガモ属の飛翔可能種と不能種間でのゲノム比較は、有力な飛翔能力の消失メカニズムを浮き彫…

動物の体色は、 二つの拮抗する選択圧の妥協 の産物として進化した1。 性選択が、オスと競争相手の体色を目立たせ2 自然選択が、餌との交信3や捕食者と交信4そして隠蔽的な体 色を選択することを通じて作用した。 性選択の下では、えり好みする性はメスと予…

倒立採餌ガモ2種における 体調に依存する虹色の翼鏡 高校生物の範囲を超える概念は、アンダーラインします。 (本ブログの前提条件として高校生物程度の知識*を想定)。とにかく 「分かり易くする」がモットーです。いきなりタイトルがすでに難し いだろと…

2種の倒立採餌ガモにおける体調に依存する翼鏡

Condition dependance of iridesent wing flash-marks in two species of dabbling ducks Legagneux, P., et al., (2010) カモ類のとても美しい特徴として、翼鏡はどうしても気になる。 通常、オスより地味なメスであっても 何故かキレイなので、これには何 …