Anseriformes

カモ系論文を延々と紹介しやす。。。

はじめに

鳥類の共通祖先は飛ぶことができたが、その飛翔能力は系統樹上で独立に、繰り返し消失した。一般に、この飛翔能力の転換は関連形質の変化:体サイズの増加、前肢サイズの減少、後肢サイズの増加、採餌生態の変化等によって達成された。特定の生態的状況下:島嶼における捕食圧からの解放、潜水採餌への適応などによって繰り返し飛翔能力が消失したことは、これらの収斂進化的推移が予測可能だろうと示唆した。しかし、この一般的な表現型の収斂が、背後に存在する分子遺伝的機構まで広がるかは分からない。近年絶滅した鳥類の僅か1%のみが飛ぶことができない(約100種程度)が、この飛行能力の無い系統の出現するパターンは、この飛行可能種から飛行不能分類群への進化的移行することは少なく、多くが鳥類進化の初期段階で起こっていることを含意する。飛翔能力の消失後の進化種分化と多様化が、ペンギンを特徴づける。一方、ずっと以前に飛翔能力を独立に回消失したのが平胸類であるその他の飛べない鳥類、ガラパゴスコバネウ(Phalacrocorax harrisi)やカカポ(Strigops habroptila)は飛べる仲間のうち隔離された場合として存在し、多くが近年絶滅した。この解析の試みは、進化期間に多数の遺伝的変化が蓄積したことでが困難ではあったが、近年のゲノム研究は、飛翔能力消失に寄与する選択の標的を同定した。