Anseriformes

カモ系論文を延々と紹介しやす。。。

羽色

Davisが指摘したように、メスの形質はあまり注目されてこ

 

なかった。

とは言えメスは、羽色に、より輝きがあって多彩なオスとの交尾やつがい
 

形成を好む2ことはかなり確定されている。

 

オスもまた同様に、交尾やつがい形成における選択により、少なくとも幾つ

かの種では、メスの派手な信号を先導する3

 
という証拠は増えつつある。
 
高度な性的2型を示すカモ類でさえ、雌雄共に翼鏡を持っている。
 
この翼鏡が有する情報は不明である。倒立採餌ガモの翼鏡は
 
 
 
 
  1.   Davis, E.S., 2002. Female choice and benefits of mate guarding by male mallards. Anim. Behav. 64, 619–628.
  2. Amundsen, T., Pärn, H., 2006. Female coloration: review of functional and nonfunctional hypotheses. In: Hill, G.E.,McGraw, K.J. (Eds.), Bird Coloration, Function and Evolution, vol. II. Harvard University Press, Cambridge, pp. 280–345.
  3. Hill, G.E., 2006a. Female mate choice for ornamental coloration. In: Hill, G.E.,
    McGraw, K.J. (Eds.), Bird Coloration, Function and Evolution, vol. II. Harvard
    University Press, Cambridge, pp. 137–200.
  4. Amundsen, T., Pärn, H., 2006. Female coloration: review of functional and nonfunctional hypotheses. In: Hill, G.E.,McGraw, K.J. (Eds.), Bird Coloration, Function and Evolution, vol. II. Harvard University Press, Cambridge, pp. 280–345.
 

フナガモ属の系統関係

フナガモ属4種の飛翔能力消失の進化には、それぞれ異なる意味あいが付随する間違った系統関係であったが、比較的短いmDNA塩基配列に基づいた最新の研究は飛行能力の無いフナガモ属は、単系統では無く、飛翔能力消失は、フナガモ属に複数回起こったことを示唆した。 島嶼に分布するトビフナガモは大陸の系統の姉妹群として同定された。

フナガモ属

現存するフナガモ属は、

  • トビフナガモT. patachonicus
  • フナガモT. brachypterus
  • オオフナガモT.pteneres
  • アルゼンチンフナガモT.leucocephalus

4で、トビフナガモのみが飛ぶことができる。フナガモ属は、水上で翼と脚を"steaming"(外輪船の動きに似ているためFig.1)と呼ばれる行動に利用する。フナガモ属は、骨格の解剖構造と翼面荷重(体重/翼面積)が著しく異なる。

フナガモ

補完的研究戦略として、現存する非常に近縁だが飛翔能力の異なる鳥類の種間比較がある。これにフナガモ属Tachyeresが利用できる。これら4種は、過去200万年の南米で更新世の異なる気候サイクルに影響を受けて種分化した1

 

  1. Fulton, T. L., B. Letts, and B. Shapiro. 2012. Multiple losses of flight and recent speciation in steamer ducks. Proc. R. Soc. B Biol. Sci. 279:2339 – 2346.

序論

進化期間に伝的変化を多重に蓄積してきた鳥類を解析する試みは困難であるが、近年のゲノム研究は、飛翔能力の消失に寄与した選択標的を同定した。例えば、ガラパゴスコバネウの飛翔能力の消失に至る前肢発生の制御遺伝子の翻訳、非翻訳領域双方における塩基配列変化である1,2

より古い系統の平胸類では、四肢の発生に影響する制御要素が収斂分子進化した証拠がある

1. Berger, M. J., and G. Bejerano. 2017. Comment        on “A genetic signature of the evolution of loss of      flight in the Galapagos cormorant.” bioRxiv.
https://doi.org/10.1101/181826.

2. Burga, A., W. Wang, E. Ben-David, P. C. Wolf, A.        M. Ramey, C. Verdugo,K. Lyons, P. G. Parker,            and  L. Kruglyak. 2017. A genetic signature
of the evolution of loss of flight in the Galapagos        cormorant. Science 356:eaal3345.

3. Sackton, T. B., P. Grayson, A. Cloutier, Z.          Hu, J. S. Liu, N. E. Wheeler, P. P.
Gardner, J. A. Clarke, A. J. Baker, M.                  Clamp,   et al. 2019. Convergent
regulatory evolution and loss of flight in              palaeognathous birds. Science
364:74–78.

はじめに

鳥類の共通祖先は飛ぶことができたが、その飛翔能力は系統樹上で独立に、繰り返し消失した。一般に、この飛翔能力の転換は関連形質の変化:体サイズの増加、前肢サイズの減少、後肢サイズの増加、採餌生態の変化等によって達成された。特定の生態的状況下:島嶼における捕食圧からの解放、潜水採餌への適応などによって繰り返し飛翔能力が消失したことは、これらの収斂進化的推移が予測可能だろうと示唆した。しかし、この一般的な表現型の収斂が、背後に存在する分子遺伝的機構まで広がるかは分からない。近年絶滅した鳥類の僅か1%のみが飛ぶことができない(約100種程度)が、この飛行能力の無い系統の出現するパターンは、この飛行可能種から飛行不能分類群への進化的移行することは少なく、多くが鳥類進化の初期段階で起こっていることを含意する。飛翔能力の消失後の進化種分化と多様化が、ペンギンを特徴づける。一方、ずっと以前に飛翔能力を独立に回消失したのが平胸類であるその他の飛べない鳥類、ガラパゴスコバネウ(Phalacrocorax harrisi)やカカポ(Strigops habroptila)は飛べる仲間のうち隔離された場合として存在し、多くが近年絶滅した。この解析の試みは、進化期間に多数の遺伝的変化が蓄積したことでが困難ではあったが、近年のゲノム研究は、飛翔能力消失に寄与する選択の標的を同定した。